フェムテック市場とは?企業で取り組むメリット|Hogaraのプロジェクトを紹介

フェムテック市場とは?企業で取り組むメリット|Hogaraのプロジェクトを紹介
[HogaLaboスタッフ]
31 January, 2024
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これまで、月経・妊娠・更年期といった話題はプライベートな問題として対処するものとされてきました。
一方で、女性の社会参画やジェンダー平等にまつわる動きが進んだことによって、
女性のライフステージに寄り添った健康課題に取り組む企業が増えています。
 
女性が生き生きと輝ける社会を実現するためには、ライフステージ別にどのような課題や支援があるのか、
また、企業で取り組むことによるメリットについて解説するとともに、Hogaraの共同取り組みの事例もご紹介します。

急成長中のフェムテック市場とは?

フェムテックとは「Female(女性)」と「Technology(技術)」の2語をかけ合わせています。
女性特有の健康課題を解決するため、テクノロジーを用いた製品やサービスを指します。
経済活動における女性活躍を後押しするものとして、欧米を中心にフェムテック市場が拡大してきました。

近年、日本でもスタートアップ企業を中心に、新製品やアプリの開発など、フェムテック市場は活性化し、急成長しています。

フェムテック市場が拡大している背景は?

フェムテック市場が拡大している主な背景要因は、以下の3点が挙げられます。
 
●    ジェンダー平等
●    女性の活躍推進
●    テクノロジーの進化

SDGsでは「ジェンダーの平等」を目標5として、女性の地位向上、
すべての女性が能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指しています。
 
これに加え、少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる日本において、
女性活躍推進法の施行など、国をあげて女性の活躍を推進しています。
 
また、フェムテック市場が拡大している要因の1つは、世界的なテクノロジーの進化です。
近年、自身の健康状態をスマートフォンのアプリやスマートウォッチなどで管理できるようになりました。
こうしたソリューションの開発技術が、フェムテックの普及を後押ししているのです。
 

女性のライフステージに沿った女性の健康課題について

男性と女性では、かかりやすい病気なども異なります。
働く女性が能力を発揮するためには、女性のライフステージにひもづく健康課題について理解を深めることが大切です。
 
生涯を通じて女性ホルモンの変動を受ける女性は、月経や妊娠・出産、産後ケア、更年期障害などの健康課題を抱えています。
こうした女性特有の健康課題に対し、従来の医療だけでなく、女性のライフイベントに注目した
ヘルスケア支援が求められているのです。
 

ライフステージ別の健康課題

経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本に与える効果と課題に関する調査報告書」によると、月経困難症や月経前症候群(PMS)などにより「仕事のパフォーマンスに影響がある」と回答した人は94%にものぼります。

不妊治療が働く女性に及ぼす影響として、仕事と不妊治療の両立ができず離職した人は23%、
雇用形態を変えた方は10%、不妊治療を断念した方は10%でした。
また、更年期症状により仕事のパフォーマンスに影響があると回答した方は95%、昇進を辞退した方は約50%、
離職した方は約17%との回答がありました。
 
女性特有のライフステージにまつわる健康課題によって生産性が低下したり、
昇進やキャリアアップの機会を断念したりすることは、個人の問題だけにとどまらず、企業にとっても損失となるでしょう。
 

ライフステージで変わる健康課題支援

女性のライフステージ別の健康課題として、月経、妊娠・不妊、産後ケア、更年期に加え、
婦人科系の疾患に対するヘルスケア支援が挙げられます。
 
月経分野の主なフェムテックサービスは、スマートフォンを活用した月経管理アプリやオンラインピル処方サービスなどです。
2022年から不妊治療が保険適用となり、妊娠・不妊分野でも、治療データ分析アプリやLINEでの妊活サポートなど、
さまざまなサービスが増えてきました。
更年期分野では、男女の相互理解促進サービスとしてチャット型のe-ラーニングなどもあります。

女性活躍推進により、今後も支援サービスの開発・拡大が期待されるでしょう。

女性の活躍を後押し!企業で取り組むことによるメリット

月経によって生産パフォーマンスが低下することに対し、何も対処しない場合の労働損失額は、
約4,900億円にのぼるといわれています。

経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本に与える効果と課題に関する調査報告書」によると、フェムテックの普及によって、PMSや月経に関連した症状が改善・解決された場合、
2025年時点で年間約2,400億円の経済効果があると推計されています。
 
女性の活躍推進が求められる現代において、企業が働く女性に対してライフステージに沿った健康支援に取り組むことは、
心理的安定につながり、エンゲージメントの向上や労働生産性の向上をもたらすでしょう。
加えて、人材の定着によりキャリアアップや管理職の登用につながることも期待できます。
 
経済産業省|令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本に与える効果と課題に関する調査報告書
 
▼企業目線
 
月経や不妊治療に関連する女性特有の健康課題によって、仕事のパフォーマンス低下や離職、昇進辞退など、経営にも影響します。
企業がフェムテックに取り組むことで、職場のパフォーマンス向上につながる可能性が高まり、
その結果、長く働ける女性社員が増え、人材不足の改善につながることが考えられるでしょう。
 
特に更年期の症状には個人差があり、自分が更年期症状だと気づかずに働き続ける方も少なくありません。
企業全体に更年期に対する理解があり、フェムテックとして取り組む制度を導入することで、
管理職や責任のあるポジションに就く女性の離職を防ぎ、企業の生産性向上も期待できるでしょう。
 
▼社員目線
 
女性のライフステージにおいて、妊娠や不妊治療・育児と仕事の両立が困難という理由でキャリアアップを断念したり、
離職したりする方は少なくありません。
ライフイベントに応じ、企業がフェムテックに取り組むことで、女性社員は仕事と子育てなどを両立しやすくなります。
 
また、企業内で女性社員が働きやすい環境が整備されることによって「休みを取りづらい」「言い出しにくい」
といった悩みを軽減しやすくなるでしょう。

フェムテックの活用によって、女性の健康課題に関する正しい知識が身につき、ヘルスリテラシーを高められれば、
仕事のパフォーマンス向上だけでなく、職務満足度とQOL(生活の質)向上も期待できます。

女性の活躍を応援する、Hogaraの取り組み

快適なライフスタイルの提案を推進する豊島株式会社で働く女性たちが生み出した
フェムテック・フェムケアブランド「Hogara(ホガラ)」。
「私たちが今ほしいものを自分たちでつくろう」の一言で、2021年にスタートしました。
 
Hogaraでは、さまざまな年代の女性がそれぞれのライフステージで抱える健康課題を解決するために、
フェムテックの認知拡大やアイテム・サービスの展開に尽力しています。
主な取り組みとして、以下の3事例をご紹介します。
 

①日本旅行×豊島岡女子学園

1つ目の取り組みは、中学〜高校生を対象とした「日本旅行×豊島岡女子」との共同取り組みです。
 
Hogaraでは、お守り型のポーチに入った吸水ショーツ「おまもりショーツ」と
親子のための生理の本「おまもりブック」がセットになった「おまもりセット」を提供しています。
日本旅行×豊島岡女子学園との取り組みでは、学校生活や修学旅行などでサニタリーに関する悩みや困ったことなどを聞き出し、
おまもりショーツが学校生活でどのような役割を果たせるかについてもアンケートを行いました。
 
その結果、おまもりショーツという新たな選択肢によって、
日々不安に過ごす学生たちのお守り的な役割を果たせたことがわかりました。
 

②アランマーレ×Hogara 女性応援プロジェクト

2つ目は、女子スポーツチーム「アランマーレ」との共同プロジェクトです。
 
働く女性を対象としており、アランマーレの女子従業員に、Hogaraの吸水ショーツやナイトブラ、
サニタリーミスト、ショーツ用洗剤のモニター企画を実施しました。
社内アンケートを実施し、回答者の約6割が月経や婦人科系疾患に関する課題を抱えている一方で、
フェムテック・フェムケア商品に関する知識や理解が不十分であることが分かりました。

女性の健康課題を解決する選択肢の一つとして、将来的に、アランマーレの福利厚生として導入を目指しています。
 

③新しい福利厚生プロジェクト「HogaLifeサポート」

「HogaLife Support」は女性のライフステージに特化した福利厚生サービスです。
 
Hogaraでは吸水ショーツの他にも、蓄熱機能素材を使用した、保温ができるナイトブラや
オーガニックコットン製の着圧ソックスなど様々な女性の悩みに寄り添ったアイテムを展開していますが、
“ライフステージに伴う女性の悩み”と一言で言ったとしても、生理で悩んでいる人もいれば、妊活で悩んでいたり、
更年期で悩んでいたりと、多岐にわたっており、それらの悩みすべてを解決するためにアイテムだけの提供、という部分だけでは
難しいのでは、という考えにいきつきました。
 
この考えの元、通常の福利厚生ではカバーされにくい、PMS や更年期障害といった女性特有の健康問題のサポートから
キャリア形成のサポートまで、働く女性一人ひとりのライフステージに寄り添い支援したい企業様向けのサービスとして
ローンチしました。
 
現在、本サービスを導入いただける企業様にお声がけをしています。

コラボ商品づくりと福利厚生制度のスタートで女性のライフスタイルを全力でサポート

ここまでご紹介をしてきたように、近年、女性の社会参画によるライフスタイルの変化に伴い、
スマホアプリやチャットで女性特有の健康課題や妊活サポートの相談をできる環境を整えるなど、
企業側も女性が長く働き続けられるようなフェムテックにまつわる制度を設けたりする取り組みが進みつつあります。
 
Hogaraも女性特有の健康課題に対し、学校や企業とのコラボ活動や、
福利厚生としての導入をいただけるようなサポート等に積極的に取り組んでいます。
「こんなアイテムがほしい」「一緒にこんなことをしてみたい」など、
ご要望がありましたらぜひ気軽にHogaraの窓口までお問い合わせください!